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現代美術家?スズキエイミが実践する、創作を支えるセルフメンテナンス

 コスメ、フード、ツール、香りモノ…… 美しさを支える愛用品をひもとく「美のSTOCK LIST」。今回は、現代美術家?スズキエイミ氏にインタビュー。制作の多くをアトリエで行う彼女は、誰とも会わない日でも身支度を整え、制作へ向かう。日々のセルフメンテナンスから、制作を支える生活のリズムを聞いた。

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??スズキエイミ
現代美術家。生や偏見、祈りをテーマに、絵画とコラージュの狭間で新たな美を追求。立体やインスタレーションなど多様な表現を横断するほか、ファッションブランドとのコラボレーション、百貨店の装飾、映画関連作品、書籍の装画など、活動は多岐にわたる。文化学園大学造形学部でジュエリーとメタルワークを学んだ経験を背景に、2022年には自身のジュエリーブランド「エイミエス(eimiess)」を始動。国内外で展示を重ね、2025年よりSWATCHのサポートアーティストを務める。2026年11月には、蔵前のギャラリー水犀で個展を開催予定。

── 普段はどんな一日を過ごしていますか?

 基本的にはアトリエにいて、制作したり、考えたり。でも、朝起きたら必ず着替えて髪を整えるようにしています。一日誰とも会わなくても、それなりにきちんと支度をすると、気持ちが締まるから。昼頃まで制作して、お腹が空いたらブランチを食べ、その後に運動しに行く、というのがいつもの流れです。

── 運動は何をしていますか?

 ピラティスを週4回ほど。泳ぐのも好きなので、プールに行くこともあります。運動をしているというより、気分転換をしている感じです。体が固まると、考え方まで固まってしまう気がするので。帰宅後は夕食をつくって食べて、また制作に戻ります。

── 人体や生き物をモチーフにした作品が多いですが、エイミさんは「美しさ」をどのように捉えていますか?

 どの生き物にも、それぞれどこかに美しさがあると思っています。時代ごとに共有される正統的な美しさもあると思いますが、私はその生き物や人が持つ固有の部分に魅力を感じることが多いです。あとは、美の感じ方は人それぞれなのだから、その人がしたいようにすればいいという気持ちもあります。ですので、それぞれがお互いの美しさを尊重して生きていけたらいいなと思っています。

シルクで整えるヘアケア習慣

── 今日お持ちいただいたストックアイテムは、ヘア関連が多いですね。

 もともと髪が細く、ウェーブのあるくせ毛なんです。きれいにウェーブが出ている日はそのままにして、中途半端な日はストレートアイロンで伸ばしています。数年前に髪を染めていた頃は、少しリッチなヘアケアも試しましたが、あまり変化を感じられなくて。そんな中、この「シルクオーラ(SIL.KAURA)」は、レビューを見て試したのがきっかけだったんですけど、髪が本当にシルクのようにツヤツヤになり、扱いやすくなりました。以来、ずっと使っています。寝るときも髪をシルクの筒状のカバーに入れ、シルクの枕で寝ています。

髪の補修に着目した「シルクオーラ」のシャンプー、トリートメント、ヘアミルク

── エイミさんのヘアケアは、シルクがキーワード?

 そうかもしれません(笑)。髪が広がったり、傷んだりしやすいので、普段から気をつけています。この「シルクオーラ(SIL.KAURA)」のシリーズは、ボトルのデザインが少し変わっていて、それでいて主張が強すぎないところも好きです。バスタイム中に視界に入っても、邪魔にならないというか。

── ドライヤーとアイロンは、「バイオプログラミング(Bioprogramming)」のもの。

 購入したのはコロナ禍前なので、もうずいぶん長く使っています。一度壊れて、修理にも出しました。最近は新しい製品が次々に出ていますが、これは風量も十分ですし、自分の髪との相性もわかっているので、替える理由があまりなくて。まだまだ使い続けると思います。

── そして金色のブラシ。

 ヴェロ?ベチカというヘアサロンに通っていて、ずっと担当していただいている赤松さんにすすめられたのがきっかけです。後ろ髪のメンテナンスは頻度高くにするほうではないので、その分、ホームケアを頑張っています。

ヘアケアの必需品。ブラシはスカルプケアに着目した「エス?ハート?エス(S?HEART?S)」。シャンプーからマッサージ、ブローまでおまかせのマルチな1本

── どんなところが気に入っていますか?

 シャンプーするとき、トリートメントを髪になじませるときにも使えますし、お風呂上がりのブラッシングもこれ一本。頭皮の健康を保つことが肌の美しさにもつながると聞いたので、湯船に浸かりながら頭皮をマッサージしたり、首の後ろまでゴシゴシほぐしたりしています。初代は塗装がはがれるほど使い倒し、最近2本目を購入しました。

空間の香り、自分の香り

── 香りも、生活の中で大切な存在ですか?

 とても大切です。キャンドルが好きでいろいろ試してきましたが、結局「ウッドウィック(WoodWick)」のキャンドルに戻ってきます。中でもお気に入りなのが、ホワイトティー&ジャスミンの香り。寝室とリビングに置いていて、夜になると灯します。木芯なので、焚き火のようにパチパチと音がするんですよ。その音も含めて落ち着くんです。炎が大きく、照明代わりにもなるので、夜は間接照明とこのキャンドルだけで過ごすことも。時々、お風呂に持ち込むこともあります。

ウッドウィックのハースウィック。右の香炉は、エイミさんが祖父から譲り受けたもの。薫玉堂の線香を、季節や気分に合わせて焚いている

── 身にまとう香りは? このフレグランスは、エイミさんのオリジナルですか?

 「エイミエス(eimiess)」というジュエリーブランドを手がけていて、コレクション制作の一環として香りもつくっています。フレグランスブランド「アブラクサス(Ablxs)」の調香師であるchiyoさんと一緒に制作しました。

 1stコレクションでは、彫刻家ピグマリオンをイメージした香りをつくりました。もうひとつは、映画の中の殺人事件をテーマにした2ndコレクション「Murder in the Movie」から着想した香りです。少しダークでロマンチックな世界観を、チェリーやザクロなどの赤い果実、フェイクの血糊を思わせるメタリックなウッド、スパイス、スモーキーなニュアンスで表現しています。

1st(写真右)は完売。2ndは残りわずか。天然香料は、同じ配分でも季節によってわずかに香りが変わるため、同じ香りを保証できる範囲で製造数を限定している

── ジュエリーのコレクションごとに、香りも制作しているのですね。

 現在、3rdコレクションまであります。ただ、そのときは中国に滞在しており、アルコールを含むフレグランスは飛行機の配送が難しかったため、制作ができませんでした。また別のコレクションで、香りもつくれたらと思っています。

── かっこいい香りですね。ボトルもオブジェのようです。

 ありがとうございます。ユニークな香りに仕上がりました。ボトルデザインのイラストも描き、キャップは本物の大理石を削って制作しています。

── このピルケースのようなものは?

 マレーシアで見つけた練り香水です。香りが本当に気に入っていて、今も大切に使っています。ポーチに入れていて、外で少し香りが欲しいときなどのリフレッシュに使います。香りが届く範囲が狭く、自分のために楽しめるところがいいです。Conquestor(征服者)という名前の香りなんですけど、ちょっと甘めです。

── 確かに。バニラを感じますね。旅行はよく行きますか?

 旅行は趣味でもありますし、仕事で展示があれば、旅を兼ねて現地のアートを見たり、人々と交流したり。とても楽しいです。その国の文化に触れた経験が、次の制作のインスピレーションにつながることもあります。

持ち歩くセルフメンテナンス

── 外出先で欠かせないものはありますか?

 衛生用品ですね(笑)。少し潔癖なところがあるかもしれません。いつも持ち歩いているのは、香り付きの紙おしぼりと、使い捨ての歯ブラシです。

外出時の必需品。「ヴイビーコスメ(VB-COSME-FSX)」のアロマプレミアムの紙おしぼりと、「colgate(コルゲート)」の使い捨てミニ歯ブラシ

 このおしぼりは、お気に入りのレストランで使われていて、「絶対に欲しい!」と思って、すぐに探しました。当時は購入できるサイトが限られていましたが、最近はAmazonでも買えるようになりました。香りはシトラール、ペパーミント、ラベンダー、ローズ、ベルガモットの5種類。どれもいい香りで、本当は全種類ストックしておきたいくらいなんですけど、長く保管すると香りが薄れてしまうので、いつも2種類ほどに絞って買い足しています。中でもこのシトラールとベルガモットがお気に入りです。海外のレストランなど、すぐに手を洗えない場所でパンを食べるときなどにも重宝します。2枚は必ず持ち歩いていて、一緒にいる方にお渡しすると喜ばれます。

漢方入りの足湯パックとナツメのグミ。中国?杭州のお店で購入

── 中国のアイテムもありますね。

 スウォッチ(SWATCH)のプロジェクトを機に、上海にも生活の拠点を置いています。杭州を訪ねたとき、雲南地方にゆかりのある品を扱う面白いお店を見つけて、そこで購入したのがこの足湯パックです。布袋の中に、茶殻のような薬膳素材が入っていて、お湯に入れるとコーヒーのような濃い色になります。香りがとてもよくて、同じ中身で入浴剤としても売られていたので、私はこれを湯船に入れて使っています。

 これも中国で見つけたナツメのグミです。中国でさまざまなお菓子を食べた中で、これが一番おいしくて。一度帰国するとき、友人が1キロほど持ってきてくれました。ポーチに入れて、少し何か食べたいときや、お茶のお供にしています。

肌は、その日の自分と相談する

── レッドリップがいつもお似合いです。普段のメイクは?

 家にいるときはノーメイクです。あまり肌が強いほうではないので、なるべくいたわりたくて。以前は発色のいいコスメが好きでしたが、肌が揺らぐようになってからは、フランスのオーガニックブランド「ザオ(ZAO)」のものを中心に使っています。

── スキンケアで大切にしていることを教えてください。

 「これ」と決めすぎないようにしています。たとえばメイクをした日の夜は、肌を休ませるつもりで、あえて乳液だけで済ませることも。今日は乾燥しているな、とか、赤みが出てきたな、とか。その日の状態によって、ビタミンCを使う日もあれば、保湿を中心にする日もあります。

── ビタミンC以外に、成分で選ぶものはありますか?

 そうですね。たとえばレチノールは取り入れたいのですが、毎日使うと私の肌には少し強くて。肌の調子がよさそうな日にだけ使っています。

ファッションブランド「メデニウス(Medenius)」と共同制作したスリップドレスを着用。西洋絵画の静物画をモチーフに、テキスタイルを描き下ろした。ネックレスとリングはすべて自身のブランドのエイミエス

マルチアーティストとして

── ファッションブランドとのコラボも多いですね。「キディル(KIDILL)」のコレクションでイラストを描き下ろされていたのを覚えています。

 はい。いろんなブランドからお声がけをいただいていて、今年は4ブランドとのコラボレーションが進行中です。そのうちひとつは中国のブランドで、ロリータ系のブランドともご一緒しています。新たに作品を描き下ろすこともあれば、既存の作品を使っていただくこともあります。

── プライベートワークでは、5年ほど制作を続けているタロットカードの完成が見えてきた、とInstagramで拝見しました。

 はい。あと10枚で完成です。展示や仕事の合間に少しずつ描き続けてきたので、78枚は思っていた以上に長い道のりでした。ようやく終わりが見えてきたので、このまま完走したいですね。2027年中の販売を目指しています。

── これから挑戦したいことを教えてください。

 ひとつの表現を突き詰めるあり方は素敵だと思います。たとえば、ずっと油絵を描き続けるような、職人的な仕事には憧れもあります。でも私自身は、いろいろなことを試したい性格なんです。アートに関わるコミッションも手がけていますし、これからもさまざまなことに挑戦したい。マルチアーティストのスタンスで、その幅を少しずつ広げていけたらと思っています。

最終更新日:

合六美和

Miwa Goroku

コレクション取材記者を経て、フリーランスのエディター&ライターに。雑誌や広告、ウェブメディアなどさまざまな媒体で、執筆やディレクション、コーディネーションを手がける。ファッション、ビューティーを軸に、クリエイティブに関わる人やカルチャーをフォロー。

photography :Hikaru Nagumo, editing: Hikaru Kimura(FASHIONSNAP)

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