

コスメ、フード、ツール、香りモノ… 美しさを支える愛用品をひもとく「美のSTOCK LIST」。第10回は、恋愛リアリティシリーズへの出演をきっかけに、ヘアメイクアップアーティストという横顔にもあらためてスポットライトを集めているGENSEI氏が登場。日々さまざまな人の顔と向き合いながら、その人らしさを引き出してきた。数多くのコスメに触れるなかで使い続けている定番アイテムから、自身が考える美しさのポイントまで。長年の現場で培われた視点と習慣を聞いた。
ADVERTISING

??GENSEI
ヘアメイクアップアーティスト。美容師として経験を積んだ後、自身のルーツである台湾に戻り、本格的にヘアメイクとしての活動を開始。現在は日本を拠点に、ファッションやビューティの現場で活動する。近年は写真展やトークイベントを通じて、自身の体験や価値観を共有する場づくりにも取り組んでいる。
?? まずはヘアメイクの仕事を始めた経緯から教えてください。
もともとは美容師でした。日本で専門学校に通って美容師免許を取り、サロンで働いていました。当時は作品撮りもしていたので、ヘアだけでなくメイクも自分でやるようになって。本格的にヘアメイクとして活動を始めたのは、東日本大震災を機に台湾へ戻ったことがきっかけです。日本というバックグラウンドがあると、それだけで期待してもらえることも多くて、いろいろなオファーをいただきました。戸惑うことも多かったのですが、すべていい経験となりました。
???ヘアメイクとして活動されるなかで、特にメイクに惹かれていったのはなぜ?
当時はヘアスタイルのトレンドもある程度似てきていて、変化をつけるならメイクの方が面白かった。少し色を変えるだけで表情が変わる。その感覚に惹かれました。
日本の繊細さ、韓国のスピード感、台湾の柔軟さ
???台湾で活動を始めた頃、日本との感覚の違いを感じることはありましたか?
ありました。日本で当たり前だと思っていた感覚が、そのまま伝わらないこともよくあって。「アンニュイ」だと思うメイクをすると、「未完成じゃない?」と突っ込まれたり(笑)。そういう細かな空気感を表現する感覚は、日本ならではだと思います。当時、台湾でやっていたアトリエには、日本のカルチャーや美容が好きな方も多く来てくれていました。

── 台湾の美容カルチャーにはどんな特徴がありますか?
台湾は、いい意味でいろいろな文化を吸収する場所だと思っています。欧米っぽいメイクをする人もいれば、日本や韓国のスタイルを取り入れている人もいて、"台湾らしさ"をひとつの言葉で括るのは難しいかも。だからこそ、型に収まらない面白さがあります。
── 近年は、韓国にもよく行かれていますね。
毎月のように行っていますね。韓国はまた違っていて、とにかくスピードが速い。トレンドの更新も早いし、商品の開発力もすごい。たとえばスキンケアでも、日本だと1本で何役もこなすものが多いけれど、韓国は毛穴、乾燥、ざらつきなど悩みごとに細かく特化したアイテムがたくさんある。見せ方も含めて、常に新しいものを生み出している印象があります。だから僕自身は、日本の繊細さ、韓国のスピード感、台湾の柔軟さ、その全部から影響を受けていると思います。
最初に見るのは「肌色」
── 人の顔を見る仕事として、まずどこを見ますか?
最初は肌色ですね。眉毛とか目元とかを挙げる人も多いと思うんですけど、僕は肌が一番大事だと思っています。顔の中で一番大きな面積を占めているのは皮膚なので。ファンデーションや下地の色が合っていないと、全部が崩れてしまう。だからまず肌色を見ます。
── 肌を重視するようになったのは、いつ頃からですか?
ヘアメイクを続ける中で、どんどんそうなっていきました。髪もそうなんですけど、マットとツヤを比べた時に、ツヤの方が生命力を感じるんです。肌の状態が整っていると、その人自身が持っている魅力も自然と引き立つ。逆にベースが整っていないと、その上にどれだけメイクを重ねても難しいなと思います。

── 仕事現場でメイクをしていて、「今日はうまくいったな」と感じる瞬間は?
結局はチームワークですね。メイクだけでは完成しない。カメラマンもいるし、ライティングもあるし、スタイリストもいる。いくらきれいにメイクしても、写真の中で成立していなかったら意味がないので。トータルで見て成立した時が一番うれしいです。
肌づくりを支えるためのストック
── 肌づくりで最も大切にしていることは何ですか?
やっぱり保湿ですね。あとは清潔に保つこと。タオルをやめてペーパータオルに変えてから、肌の状態が変わったのを実感しています。それからターンオーバーも大切です。シンプルですけど、きちんと老廃物を出すことが一番大事。体は胃腸管理をするのに、肌は放置してしまう人も多いじゃないですか。肌も同じで、溜まった角質をきちんと取り除くことが大切なんです。

日々の基本は、ランコムの導入美容液「ジェニフィック アルティメ セラム」、SK-IIの「フェイシャル トリートメント エッセンス」。ざらつきのスペシャルケアにキールズの美容液「DS プレセラム」を常備
── 日々使い続けているものを教えてください。
最近改めて思うのは、ひとつの化粧水を使い続けるより、その日の肌状態に合わせて選ぶことが大事だということ。乾燥している日もあればオイリーな日もあるので、2?3種類を使い分けています。
ここ数年ずっと使っているのが、「ランコム(LANC?ME)」の「ジェニフィック アルティメ セラム」です。洗顔後の最初の1本として使っています。導入美容液ですね。最初に入れるものはすごく大事なので、これは欠かせません。
それから「SK-II」の化粧水。台湾でも結構人気で、でも金額も高かったので最初は気軽に手が出せなかったんです。でも使ってみたら納得しました。投資する価値があると思って続けています。
昔からずっと使っているのは、「キールズ(Kiehl’s)」のブルーの美容液です。ターンオーバーを促してくれるので、小鼻まわりなどのざらつきが気にならなくなります。スキンケアの最初に使ってもいいし、化粧水の後でも大丈夫です。

── クリニックも通っている?
通っています。スキンケアでつくれない肌質ってあるから。水素水で汚れを取ったり、ターンオーバーを促進する美容液を塗ってもらったり。あとはスキンボトックスを時々。
── きれいな状態をキープするためのメンテナンスですね。
そうです。肌が均一であることが大事なので、そのために肌管理しつつ、ベースメイクもファンデーションより補正下地の方を丁寧にやります。コントロールカラーを3色くらい使い分けています。肌色を均一に整えておくと、その後のファンデーションもきれいにのるし、一日中ツヤ感も続きます。
「スポンジ」と「練りチーク」
── メイク道具の中で、最も手放せないものは?
スポンジですね。ずっと使っているものがあって、これなんですけど、硬さがちょうどいいんです。両面使えるし、細かい部分にも入りやすい。ベースメイクもチークもお直しも全部できるので、これがないと不安になります。

ロージーローザ(ROSY ROSA)の「バリュースポンジ」。30Pの大容量
── GENSEIさんのメイクを見ていると、血色感のつくり方が印象的です。チークはよく使いますか?
はい。今日も入れています。最近は「プラダ ビューティ(PRADA BEAUTY)」のチークをよく使っています。この取材のお話をいただいてから改めて考えてみたんですけど、長年使い続けてきたアイテムをひとつ挙げるなら、実はチークかもしれません。特に練りタイプが昔からずっと好きです。
昔の練りチークは保湿力が高いぶん、のせた瞬間に消えてしまったり、撮影で光に飛びやすかったりしたんです。でも今は質感もキープ力もすごく進化していて、血色感を残しながらきれいに定着してくれる。写真にも映えるテクスチャーになってきています。血色感を足すだけじゃなく、骨格づくりにも使えるので重宝しています。
── 仕事でも欠かせないアイテムはありますか。
「メイクアップフォーエバー(MAKE UP FOR EVER)」のマルチパレット。これひとつで青みも赤みも補正できるし、シェーディングもクマ隠しもできる。アイシャドウにも使えます。本当に万能。ひとつあるとけっこう持ちます。僕はこれで3代目かな。

プラダ ビューティのマルチチーク「プラダ タッチ」。「前は広めにのせるのが好きでしたが、最近は骨格も意識して2色をグラデーション。でもそんなに深く考えず、血色として楽しんで塗ります」。下はメイクアップフォーエバー「HDスキン エッセンシャルパレット」
価値観を変えたコスメ
── メイク人生の中で衝撃を受けたアイテムは?
クッションファンデーション。今までになかった感覚で、革命でした。これひとつでツヤ感も出せるし、持ち運びも便利。ベースメイクの考え方そのものを変えた存在だと思います。当初はテカるイメージもあったんですけど、質感がどんどん進化しているし、チークやパウダーもクッションタイプが出ていて目が離せません。

愛用中のクッションファンデ。(上から時計回りに) 「トゥースラッシュフォー(TWO SLASH FOUR)」、 「イヴ?サンローラン?ボーテ(Yves Saint Laurent Beauté)」、「ヘラ(HERA)」
── 愛用品の中には、自身で作られたものもありますね。
はい。これです。ヘアクリームをプロデュースしました。僕自身が猫っ毛で、スタイリング剤を使うとすぐにぺちゃんこになってしまう。オイルも好きなんですけど、夕方になると重くなってしまうんですよ。だったら自分で作ろうと思いました。まずは自分のために。重すぎず、毛流れをきれいに出してくれる。ツヤ感も出るし、ボリュームも残ります。

(写真左)ヘアブランド オー(eau)と共同開発したスタイリング用ヘアクリーム「Ondée Crème × Gensei」
休む練習
── 美容以外で、自分を整えるために続けていることはありますか?
最近は「休む練習」をしています。新しいことをやりたいのに、脳が疲れていると動けなくなる。だから、ちゃんと休めるようになることも大事だなと思っています。子どもの頃って、夏休みに何もしなくていいことが本当にうれしかったなと、最近ふと思い出すんです。その感覚を取り戻したい。好きなものを食べたり、料理をしたりする時間も大切ですね。そういうことが、今の自分にとっては休むことにつながっている気がします。

「タイガーバーム」も長年の愛用品。台湾にあるブラッシュアンドグリーン(BRUSH & GREEN)のオリジナルパッケージで常備。「緊張しやすいタイプで。舞台に上がる前、これをこめかみなどに少し塗ってます」
これから作りたいもの
?? 最近は、写真展やトークイベントなど、自分の経験を共有する活動にも取り組まれていますよね。
そうですね。最近やった"自我愛(台湾語で自己愛)"をテーマにしたイベントは、自分の中でもすごく大きかったです。最初の自己紹介の挨拶で、泣いてしまったんですよ(笑)。来てくださった方たちがみんな天使に見えてしまって。自分から何かを与えるというより、みんなから光をもらった感覚だったんです。ゲストにインフルエンサーのAlan takahashiを呼んで、1時間くらいトークしたんですけど、その時間も本当に濃かったです。録画しとけばよかったと後悔しています。美容の話というより、自分がどう生きてきたかとか、自分をどう受け入れてきたかとか、そういう話をみんなと共有できた感覚がありました。

── 今後の目標を教えてください。
「自己愛」のような場は、これからも続けていきたいと思っています。ヘアメイクの仕事とはまた違う形ですけど、自分の経験を話すことで、誰かが少しでも前向きになれたり、自分自身を好きになるきっかけになったら嬉しい。
あと、ブランドをつくることです。実は以前、台湾で友人とアイライナーを作ったことがあるんですけど、マーケティングの知識も足りなくて、うまく続けることができなかった。その反省も生かしたいです。
── どんなプロダクトを出す予定ですか。
スキンケアです。いろんなコスメがあるけれど、最終的にはスキンケアに戻ってくる気がするんです。肌が整っていることが、やっぱり一番大事だと思うので。そんなシンプルで長く使えるものを作りたいです。
最終更新日:
Miwa Goroku
コレクション取材記者を経て、フリーランスのエディター&ライターに。雑誌や広告、ウェブメディアなどさまざまな媒体で、執筆やディレクション、コーディネーションを手がける。ファッション、ビューティーを軸に、クリエイティブに関わる人やカルチャーをフォロー。
photography :Hikaru Nagumo, editing: Hikaru Kimura(FASHIONSNAP)
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【美のSTOCK LIST】の過去記事
RELATED ARTICLE
関連記事
足球即时比分,比分直播
アクセスランキング

Dior -Men's- 2027 Summer Collection

LOUIS VUITTON -Men's- 2027 Spring Summer

Yohji Yamamoto POUR HOMME 2027 Spring Summer















