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「CFCL」の美学を結集 初のブランドブック刊行記念展覧会が表参道で開幕

?佐々木エリカ

Image by: FASHIONSNAP

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 「シーエフシーエル(CFCL)」が、初のブランドブック「CFCL: Clothing for Contemporary Life」の発売を記念した展覧会「CFCL: Building the Aesthetic — 構築される美」を東京?表参道のGYRE GALLERYでスタートする。期間は7月18日から30日まで。開幕前日に開催されたメディアプレビューでは、デザイナーの高橋悠介がブランドブックと展覧会の背景にある思いやエピソードを語った。

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 CFCLは、9月8日に初のブランドブックを名門出版社リッツォーリ(Rizzoli International Publications)から刊行。2020年の設立以来手掛けてきたCFCLのヴィジュアルを224ページにまとめ、200以上の作品とともにブランドの哲学やものづくりを紹介する。同書には、ファーストシーズンの2021年春夏から2025年春夏までのヴィジュアルとショールック、ブランド創業時から継続する写真家 蓮井幹生によるポートレートプロジェクト「Silhouette」、写真家 高木由利子との「Motion in Emotion」などを収録。ブランド公式ストアでは、会期初日の7月18日から先行予約を受け付ける。

 高橋は同書刊行の理由について「ブランドブックを出版したいと思ったきっかけは、ちょうど1年前に行った設立5周年の展覧会でした。CFCLは設立当初から『サステナブルブランド』というイメージが定着していましたが、それだけではなく、ヴィジュアルやパリファッションウィークへの参加を通して表現してきたブランドの美学をもっと見てほしいという思いがありました」と語る。

 今回の展示では、CFCLがこれまで構築してきた美学とそのプロセスにフォーカス。書籍に収録した作品を中心に、ブランドのヴィジュアル表現やクリエイションの背景を多様な写真と共に紹介する。会場は「Season Visuals」「Motion in Emotion」「Behind the Scenes」「SHISEIDO × CFCL」の4つのパートで構成。写真はすべてモニターを用いてムービー形式で展示することで、膨大かつ多彩な作品群を披露している。

シーズンヴィジュアルから見える「静」の美学

 1部屋目では、CFCLがパリで制作を行った2024年春夏(VOL.7)から2026年秋冬(VOL.12)までの6シーズンにわたるシーズンヴィジュアルを展示。ベン?トムズやオスマ?ハルヴィラハティ、トーマス?ローア、マーク?ヒバートといったヨーロッパを拠点に活動する同世代の写真家たちと手掛けた作品群を、写真家のプロフィールやシーズンヴィジュアルの説明とともに紹介する。

 元々写真が好きで、ヴィジュアルへのこだわりを強く持ってきたという高橋は、学生時代からドイツ写真に惹かれ、とりわけベッヒャー派に代表される「タイポロジー(類型学)」の世界観に影響を受けてきたという。「CFCLでは、ニットというカジュアルで柔らかい素材でいかに『品格』を作るかということにチャレンジする中で、硬質で冷たく、構築的な「静」の世界観を重視してきました」(高橋)。

高木由利子が捉えた「動」のエネルギーや魅力を体感

 続く2部屋目では、2024年から継続的に取り組む写真家?高木由利子とのプロジェクト「Motion in Emotion」の作品群を披露。乗馬やスケートボード、フェンシング、アイススケート、素潜りなど、スポーツが題材となり、CFCLのニットウェアをまとった動く身体を捉えることで、人の内側にある感情やエネルギーを映し出した。一連の作品は、1部屋目の「静」のイメージとは対照的な、CFCLのニットウェアが持つストレッチ性や動きやすさといった「動」の側面を表現している。

 同セクションでは、高木自身が静止画を再構成した「スチールムービー」形式で作品を展示。一見スライドショーのように見える映像は、コマ送りのスピードが急に変わったり、突然色が挿入されたり、映像が止まったりと、躍動感とともに写真を楽しむことができる。これまで制作してきたシリーズに加え、同展のために新たに撮り下ろした新作や未公開写真、撮影現場のメイキング映像も展示する。

パリコレの舞台裏を実際のルックと映像で紹介

 3つ目の部屋では「Behind the Scenes」と題し、最新の2026年秋冬コレクションのショーとヴィジュアル制作の舞台裏を多面的に紹介。ショー映像とランウェイで発表した12体のルックに加え、パリのオフィスでのフィッティングやキャスティングの様子、シーズンヴィジュアルのメイキング映像などを通して、完成したイメージの背後にある試行錯誤や、多くのクリエイターとの協働のプロセスを可視化する。

 また、同セクションのキャプション上にあるQRコードをスマートフォンで読み込むと、実際にショーの各座席に配布される「Show Note」を閲覧することができる。高橋は「Show Noteには、シーズンテーマやインスピレーション、音楽担当やモデルの名前まで、ショーに関わった全ての人の名前をクレジットしています。ショーというクリエイションが、いかに多くの人の手によって作られているかを知ってもらえたら嬉しいです」とその意図を語った。

設立当初から続く、SHISEIDO × CFCLの関係性

 最後の部屋では、同展の協賛でもあり、ブランド設立当初からシーズンヴィジュアルやランウェイショーのヘアメイクアップをはじめ、さまざまな協業を行ってきたSHISEIDOとのコラボレーションプロジェクトにまつわる内容を展示。SHISEIDOのフェイスカラーから着想を得た特別なカラーパレットで展開するCFCLのカスタマイズオーダーサービス「Personal Edition “Signature”」のメイキング映像と、コラボカラーの「POTTERY」ドレスを公開している。

 高橋は、9月に発売される同展のもとになったブランドブックについて「CFCLの『静』と『動』の両方の側面が詰まった一冊です。ニットという単一の素材だけで、これだけのヴィジュアルのバリエーションを生み出せるという、ファッション写真の表現の幅の広さを世界中の人々に届けられたら」と紹介。また、自身が学生時代にさまざまな展覧会で刺激を受けた経験から、「ぜひ今の学生のみなさんにとっても、この展覧会が学びや刺激を得る場になれば」と話した。

 会期中には、高橋と同ブランドとの深い関わりを持つキーパーソンによるトークイベントも開催。高木由利子をはじめ、創業期から世界観づくりを支えてきたライフスタイリストの大田由香梨、美術家の磯谷博史、SHISEIDOのアーティストらが登場し、CFCLらしさを築きあげてきた表現の根底にある思考や美意識と、その舞台裏について語り合う。

最終更新日:

■CFCL:Building the Aesthetic — 構築される美
会期:2026年7月18日(土)?7月30日(木)
会場:GYRE GALLERY
所在地:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3階
開館時間:11:00?20:00(不定休)
入場料:無料
主催:CFCL
協賛:SHISEIDO
展覧会特設サイト

<トークイベント詳細>
会場:GYRE GALLERY 展示会場内
定員:各回30人(参加無料?先着順)
予約受付ページ

?7月18日(土)14:00?15:00(※申し込み締め切り済み)
「Motion in Emotionの撮影舞台裏」高橋悠介 ×?高木由利子 ×?大田由香梨

?7月18日(土)16:00?17:00(※申し込み締め切り済み)
「ブランド立ち上げからの世界観づくり」高橋悠介 ×?大田由香梨 ×?磯谷博史

?7月25日(土)14:00?15:00
「日常からランウェイまでを彩るヘアメイク」高橋悠介 × SHISEIDO?ヘアメイクアップアーティスト 伊藤礼子 中川まどか

文?佐々木エリカ

Erika Sasaki

FASHIONSNAP 編集記者

埼玉県出身。早稲田大学国際教養学部卒業後、国内大手アパレルメーカー、ケリング傘下ブランドのMDなどを経験した後、2023年にレコオーランドに入社。現在はウィメンズのデザイナーズブランドを中心に、サステナビリティやSDGs、教育分野も担当。ファッションやカルチャーに加えてジェンダーや社会問題にまつわるトピックにも関心があるため、その接点を見出し、思考や議論のきっかけとなるような発信をしていけたらと願っている。

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