
Image by: ?CFCL Inc.

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「シーエフシーエル(CFCL)」が、6月24日付で一部商品の価格改定を行った。昨今の原材料費高騰や世界情勢の影響により、アパレル各社が値上げを余儀なくされている中、今回の対象3品番中2品番で「値下げ」を実施。同社は昨年12月にも価格調整を行い複数品番を数千円単位で値下げするなど、素材調達の状況に応じて随時製品価格に反映してきた。なぜ今「値下げ」が可能なのか? ブランド担当者への取材から明らかになったのは、販売戦略の見直しによる国内外の価格差是正や、生産効率の向上によるコスト削減といった、ブランドの中長期的なヴィジョンに基づく企業努力の存在だった。
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国内外の価格差是正へ、アイテムごとの役割を明確化
今回価格改定の対象となったのは、「SOFT HIGH GAUGE MOCKNECK LONG SLEEVE TOP」(4万1800円 → 3万6300円)、「MOHAIR GARTER RIB SCARF」(3万8500円 → 2万9700円)、「GARTER LUCENT CROPPED CARDIGAN」(4万5100円 → 4万7300円)の3品番。「国内限定商品とグローバル展開商品の役割を整理し、それぞれに適した価格設計に見直した」ことが価格調整の理由だ。ブランド担当者によれば、海外事業の拡大に伴い、日本国内と海外での価格の整合性を高める狙いが背景にあるという。
グローバル展開する商品については海外価格とのバランスを重視して適正化を図る一方で、国内限定?直営店限定商品については、「日本のお客さま向けにより抑えた価格設定が可能になった」と担当者は語る。例えば、今回5500円の値下げとなった「SOFT HIGH GAUGE MOCKNECK LONG SLEEVE TOP」は、販売戦略を見直して国内直営店限定商品に切り替えたことで、適正な価格での提供を実現。このように、CFCLは双方の市場で持続可能な事業基盤を築くための取り組みの一環として、国内外での商品の役割分担の明確化を進めている。

6月24日付けで値下げとなった「SOFT HIGH GAUGE MOCKNECK LONG SLEEVE TOP」
Image by: ?CFCL Inc.
値下げの鍵は「直営店拡大」と「自社工場」
アパレル業界全体で原価高騰の波が押し寄せる中、あえて「値下げ」に踏み切れる最大の要因は、販売計画の精度向上と生産効率の改善にある。
日本のファッションブランドで初めて「Bコープ(B Corp)」認証を取得したCFCLは、コンピュータープログラミングニットを活用した無駄のない生産体制など、創業当初からサステナビリティを中核に据えてきた。近年、同社は国内直営店の出店を積極的に進めており、昨年から今年にかけて新たに5店舗をオープン。現在は東京と大阪に計9店舗を構える。これにより、販売数量や販売期間をより精緻に設計できるようになったことから、生産時のミニマムロットへの対応や長期的な計画が立てやすくなり、結果として商品のコストを抑えられる環境が整備されつつあるという。

4月29日にオープンした直営店舗「CFCL GINZA」
Image by: ?CFCL Inc.
さらに、現在本格稼働に向けた準備を進めている自社工場「CFCL ニッティング ファクトリー」(埼玉県草加市)の存在が、今後の価格設定にさらなるポジティブな影響を与える可能性がある。同工場は、生産キャパシティの限界や人材不足、技術の継承、設備投資に伴う負担の工場側への押し付けなど、現在の日本のニット産業の課題解決に寄与する、新たな生産のあり方を提示する施設として設立。「生産効率の向上によるコスト削減にも取り組んでいる」といい、自社製造によって製品原価率を下げることで、国内外の価格差を1.2倍以内に是正することを目指している。
担当者は、原材料価格や物流費の上昇などの外的要因によって値上げを余儀なくされる商品があることも事実としながらも、「生産性の向上や事業基盤の強化によって得られたメリットについては、可能な限り価格に反映し、お客さまに還元していきたい」と企業努力を続ける姿勢を強調する。
地政学リスクにも対応、盤石な生産背景と柔軟な価格戦略
今回に限らず、同社はこれまでも素材調達の状況を反映したアイテムごとの価格調整を細やかに行っているが、背景にはどのようなルールや価値観があるのか。
まず前提にあるのは、サプライヤーとの長期的な信頼関係に基づくパートナーシップだ。CFCLではシーズンごとに工場を変えるのではなく、創業当初から同じ素材メーカーや工場と協業。事前の生産計画や需要予測の共有により、安定した素材調達や製品開発を実現しているという。
しかし近年は、地政学的リスクや為替変動など、自社だけではコントロールできない要因も急増している。「CFCLでは価格を固定的なものとは考えていない」と担当者が語るように、同社は国内?海外?直営店という販売チャネル全体を俯瞰し、素材価格や為替、生産体制を総合的に判断。必要がある場合に限って、シーズン単位で柔軟に価格を見直すというスタンスをとっている。
サステナビリティと還元を両立する「クローズドループ」
FASHIONSNAPが昨年9月に取材した際、同社は衣服の循環システムである「クローズドループ」の実現に向けたシステム構築を進めていると明かしていた。今回の価格調整とこの取り組みに直接的な関係はないものの、中長期的なプロジェクトとして現在も継続して検討を進めているという。
担当者は、将来的にクローズドループが実現した際には、「資源利用の効率化や供給の安定性向上につながる可能性がある」と展望を語る。その成果は単なるコスト削減にとどまらず、価格や品質、サービスを含めた総合的な形として消費者に還元することを目指すとしている。
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