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ドン?キホーテが「ド回復」リカバリーウェアを発売 空白市場だった30?40代の「ながら」需要を喚起

伊藤博紀 パン?パシフィック?インターナショナルHD シニアマーチャンダイザー

Image by: FASHIONSNAP

伊藤博紀 パン?パシフィック?インターナショナルHD シニアマーチャンダイザー

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伊藤博紀 パン?パシフィック?インターナショナルHD シニアマーチャンダイザー

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 ドン?キホーテのPB(プライベートブランド)である「情熱価格」が、疲労回復を目的とした機能性衣料「リカバリーウェア」を7月22日に発売する。高い知名度を誇る「テンシャル(TENTIAL)」の「バクネ(BAKUNE)」や、低価格路線で先行するワークマンなど競合がひしめき合う激戦市場で、中長期的に国内シェア5%の獲得を目指す戦略とは。ドン?キホーテを運営するパン?パシフィック?インターナショナルHDの伊藤博紀 シニアマーチャンダイザーに話を聞いた。

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「リライブ」の仕入れ販売で見えた市場の空白地帯

 同社のPB商品の歴史は古く、伊藤氏が入社した2011年時点で今の情熱価格の前身にあたるPBが存在していた。当時は「ジーユー(GU)」の「990円ジーンズ」に代表される低価格ジーンズがトレンドとなっており、ドン?キホーテでも999円のジーンズを「サンキュージーンズ」と銘打って発売し、大きな話題となった。情熱価格は2021年にリブランディングを行い、「お客さまと一緒につくるピープルブランド」というテーマを設定し、より日常生活に寄り添ったブランドにシフト。近年は酷暑の常態化により、冷感アイテムやUV対策アイテムの売れ行きが好調だという。

 ドン?キホーテは、2024年にりらいぶが展開する「リライブ(RELIVE)」のリカバリーウェアの仕入れ販売を始めた。リライブは、同年2月に出川哲朗氏を起用したテレビCMを開始して話題となっていたブランドだ。ドン?キホーテが同商品を販売するなかで、年齢層の偏りが顕著だったという。購入者の年齢が50代以上に偏っており、後に他社ブランドを取り扱ってもその年代構成は変化しなかったそうだ。伊藤氏は、その背景に価格があったと見ている。リライブの価格は上下セットで1万3000円程度で、2万円台が中心のバクネに対して割安だったものの、「若い世代はリカバリーウェアにそこまでお金を出せない」(伊藤氏)という実態があったという。同社はリカバリーウェア市場に低価格帯という空白地帯があると見て、PB企画を本格始動した。「働き盛りで最も疲れている年代」と考える30?40代の共働き世代を明確なターゲットに定め、日常的に手の届く価格での商品化を進めた。

パッケージ

リライブブランドのリカバリーウェア

ワークマンの低価格は「そこまで意識していない」

 商品開発において最も力を入れたのは「価格と着心地の両立」だと、伊藤氏は語る。多くのリカバリーウェアは、鉱石が練り込まれた糸で遠赤外線を複写することで血流を促進し、体温を上げる効果を得ているが、鉱石入りの糸は生地にすると硬くなりやすいという特徴がある。それをどう柔らかくするか試行錯誤を繰り返し、繊維を作り上げる段階で空気を入れ込むことでふんわりとした触り心地を実現したという。

リカバリーウェア
リカバリーウェア

 ドン?キホーテのリカバリーウェアの半袖インナーは1099円。ワークマンの990円をわずかに上回る価格だが、伊藤氏は「ワークマンの価格はそこまで意識していない」と語る。価格競争に主眼を置いて最安値を目指すのではなく「コンビニエンス?ディスカウント?アミューズメント」という自社のコンセプトと照らし合わせ、「買いやすい価格であるかどうか」という観点で設定したと説明する。半袖Tシャツを中心に、長袖Tシャツ(1429円)やスパッツ(1429円)などをラインナップする。

パッケージ
パッケージ

着用シーンを限定しない「ながらリカバリー」を訴求

 ドン?キホーテのリカバリーウェアを語るうえで伊藤氏が最も強調するのが「着用シーンを限定しない」という点だ。既存の主要ブランドは主にルームウェアやスリープウェアを販売しており、在宅時や就寝時を着用シーンに設定しているが、ドン?キホーテは「今、求められているのは利用シーンが限定されないもので、いつでもどこでも使えることが重要」(伊藤氏)という考えのもと、シャツやTシャツなどの下に着用するインナー用途のリカバリーウェアを発売する。現代の30?40代は可処分所得の縮小に加え、自由に使える「可処分時間」も減少していると見立てており、「○○しながら」「○○するだけで」というキーワードが消費者に刺さる現状があるという。

陳列棚

「ド回復ウェア」と銘打って販売する

 また、同社はリカバリーウェアの重要なターゲットとして女性にも積極的にアプローチする。「ご飯の支度や洗濯、仕事など日常生活を送りながらリカバリーできるということが、まだ認知されていない」と伊藤氏は見ており、その認知度を広げることが大きな課題だと位置づける。ウィメンズではフレンチスリーブTシャツ(1099円)、長袖UネックTシャツ、レギンス(各1429円)を販売する。

リカバリーウェア

ウィメンズのリカバリーウェア

「悩みを解決することでシェアを拡大」

 伊藤氏はリカバリーウェアの数値目標として、初年度で50万枚の販売と、2035年までに国内5%のシェア獲得を掲げた。「最初の3ヶ月が勝負だと思っているので、スタートダッシュでしっかり伸ばしていきたい」と伊藤氏は述べる。現在すでに、次シーズンの商品開発が進行中だという。今回のラインナップは通年使用を念頭に置いたものだが、夏場の着用を想定したメッシュ素材や冷感機能の搭載を検討しており、今後も「どれだけ悩みを解決したかが、最終的に会社の成長やシェアの拡大に繋がる」という姿勢を示した。

パッケージ

最終更新日:

山田耕史

Koji Yamada

FASHIONSNAP 編集記者

1980年神戸市生まれ。関西学院大学社会学部、エスモードインターナショナルパリ校卒。ファッション企画会社、ファッション系ITベンチャーを経て、主夫業と並行してフリーランスとして活動した後、FASHIONSNAPに参加。ファッションを歴史、文化、経済などの多角的な視点から分析し、知的好奇心を刺激する記事を執筆することが目標。

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