トレンドカラーはピンク? サッカーW杯に見る、足元の覇権
文?張替美希

FIFAワールドカップ2026 オランダ戦での日本代表選手団
Image by: Chris Brunskill/Fantasista via Getty Images

FIFAワールドカップ2026 オランダ戦での日本代表選手団
Image by: Chris Brunskill/Fantasista via Getty Images

FIFAワールドカップ2026 オランダ戦での日本代表選手団
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世界的なフットボールの祭典?サッカーW杯の舞台では、選手のプレーの中で、足元にフォーカスが当たることも多い。前回大会では三笘薫選手が放ったライン上ギリギリの“1ミリ”のアシストが取り沙汰され、足元の写真が連日報道されたことも記憶に新しい。試合中、常に注目を集めるスパイクの覇権は、果たしてどのブランドにあるのだろうか。国内のスパイク市場で圧倒的なシェアを誇る「ミズノ(MIZUNO)」*の担当者のコメントを交えながら、シェア率や最新トレンドとともに、その実態を探る。
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*全国高校サッカー選手権大会において5大会連続でシェアNo.1を獲得。また、2025年度の東京都予選ベスト32のスタメン352名のうち、ミズノ製スパイクの着用率は約50%となっている。Jリーグでもトップクラスのシェアを誇るなど、国内で圧倒的な支持を得ている。
ナイキ?アディダスの“2強”をプーマが追う
サッカー情報サイト「フッティー?ヘッドラインズ」によると、今大会におけるシューズシェアは「ナイキ(NIKE)」が「アディダス(adidas)」をわずかに上回り、出場選手の42.6%がナイキ、40.3%がアディダスの“2強”状態となっている。その2社を追う形で「プーマ(PUMA)」が10.2%のシェア率を獲得しており、ユニフォームサプライヤーの勢力図と変わらない顔ぶれだ。

日本選手団に目を向けると、26人の選抜選手のうち、ナイキとアディダスの着用者がそれぞれ8人、プーマが6人、その他「ミズノ(MIZUNO)」、「アシックス(asics)」、「ニューバランス(New Balance)」、「スボルメ(SVOLME)」が1人ずつとなっている。ミズノやアシックスの着用選手がいるのは日本らしい特徴だが、3大ブランドが市場を席巻しているという全体の構図は、世界と変わらない。
3社に共通するキーカラー 足元に光るトレンド動向
選手の足元に目を向けて気が付くのが、3強に共通するカラーリングだ。トップシェアを誇るナイキ、アディダスに加えて、プーマが今大会に合わせて発表したスパイクコレクションは、どれもピンクをキーカラーにあしらっており、今大会を観戦していると、奇しくも綺麗に揃ったカラーリングが目に留まる。これはファッション業界にも通ずるトレンド背景があると、ミズノのグローバルフットウエアプロダクト本部パフォーマンススポーツ企画課の富田壮課長は話す。

今大会では、日本選手団の足元もピンク一色となっている。
Image by: Omar Vega via Getty Images
富田課長は「今回のワールドカップではナイキ、アディダス、プーマが揃ってピンク系のカラーを発表して話題になりましたが、これはファッション業界と同じ流れで、各社がカラートレンドを取り入れたからではないか」と分析。その一方で、ミズノの最新スパイクは白を基調としたシンプルなカラーリングとなっている。






ミズノの最新スパイク「モレリア Ⅱ ジャパン(MORELIA Ⅱ JAPAN)」(2万6400円)
Image by: ミズノ

ミズノ 富田課長
他社がトレンドカラーを採用する可能性も考慮して、今回のワールドカップでは敢えて白を基調としたカラーリングを採用しています。それに加え、我々にしかできないストーリーを表現しています。40年前の1986年のメキシコ大会で、当時ブラジル代表のカレッカ選手がモレリアを着用してゴールを決めた始まりの地?グアダラハラを彷彿とさせる、鮮やかな色彩とストリートの鼓動から着想を得た「プリズムホワイト(PRISM WHITE)」です。実は、1990年代後半から2000年代前半にミズノが白いスパイクを出すまでは“サッカースパイク=黒一択”でした。その後、外資ブランドを中心に派手なカラーを次々と打ち出すようになりますが、今だに白の人気は根強いです。

田中碧選手も「モレリア Ⅱ ジャパン」を着用。
Image by: Kenta Harada via Getty Images
カラーだけではなく、求められる機能性にもトレンドはあるのだろうか。例えばランニングシューズでは、ナイキがけん引した“厚底革命”が市場を一変したように、時代とともに機能も進化しているが、サッカースパイクの場合は少し異なる。富田氏によると、求められる機能の本質自体は大きく変わらない反面、「各時代のプレースタイルの流行」がシューズに強く反映されるという。

富田課長
例えば、2010年の南アフリカ大会では、本田圭佑選手が放った予測不能な『無回転キック』が一躍話題を集めて流行し、キックの精度をサポートする機能を持つスパイクがヒットしました。
近年は、スプリントのスピード感や、90分間走り続けるハードワークに対応する、速さと持久力を備えたスパイクが求められる傾向にあるという。ミズノでは、同社のサッカースパイクのコア機能である「軽量、柔軟、素足感覚」という伝統は維持しつつ、最新の素材や構造アプローチでこのトレンドに対応している。






ポルトガル代表のジョアン?フェリックス選手は、スピードモデルの「ミズノアルファ Ⅲ ジャパン(MIZUNO ALPHA Ⅲ JAPAN)」を愛用。
Image by: ミズノ
今大会でも「スピード」は最大のキーワードであり、各社が最も力を注ぐ点と言える。実際に、前田大然選手や中村敬斗選手が愛用するナイキの「マーキュリアル ヴェイパー」シリーズや、久保建英選手や菅原由勢選手が着用しているアディダスの「F50」といったスピード重視の最新モデルが、選手間で圧倒的な人気を集めている。

アディダスの「F50」を履く久保建英選手
Image by: NurPhoto via Getty Images

ナイキの「マーキュリアル ヴェイパー 16」を履く中村敬斗選手
Image by: Robbie Jay Barratt - AMA via Getty Images
近年はピッチの上にとどまらず、その洗練されたデザイン性からファッションシーンでも注目を集めるサッカースパイク。テレビの向こうで繰り広げられるスーパープレーの裏には、選手たちのパフォーマンスを支えるメーカーの熱意と、緻密なスパイクの進化がある。次の試合はぜひ、ピッチを駆ける選手たちの「足元」にも注目を。
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